先入れ先出し、後入れ先出しとは何か メリット デメリット比較

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 本日は小売り店やメーカーの在庫管理で重要な先入れ先出しと後入れ先出しについて解説したいと思います。

本日の目次です。

 先入れ先出し(first in first out )とは、

製品、部品の流れにおいて、最初に受け入れたものから先に出していくことです。

例えばコンビニのジュースコーナーをイメージしてください。バックヤードから

ジュースが補充されて、お客様が古いものから先に取り出して取り出していますよね。

あのことです。

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先入れ先出しのイメージ

先入れ先出しメリットデメリット

1)メリット

 ・古いものが先に使われていくので、在庫滞留時間による品質劣化のリスクを最小化できる。

 ・部品を起因とした品質不具合が発生した場合、不具合の対象範囲を絞りやすくなる。

 

2)デメリット

 ・入庫、出庫に時間がかかることがある。

 ・スペースを要することがある。

精神論で先入れ先出しできません。例えばコンビニのポテトチップス売り場を思い浮かべてください。あの場所はおそらく先入れ先出しが推奨されていると思いますが、先入れ先出しするために、奥に残っているポテトチップスを前に持ってくることが必要です。よって実際には忙しい時に製品補充する時って手前にある古いものが保管スペースの奥に行ってしまうこともあると思います。保管のスペースの関係上ジュース棚のようにポテトチップ棚の奥に供給スペースを作るのは難しいといえるでしょう。

 

後入れ先出し(last in first out )とは、

製品、部品の流れにおいて、後に受け入れたものから先に出していくことです。コストコの倉庫スペースをイメージして下さい。コストコが実際に後入れ先出しかは分かりませんが、あのような倉庫スペースの場合で重量物を扱う場合、フォークリフトを使っていると思います。あの場合、毎回先入れ先出しのために製品の並べ替えや整理を行うとオペレーションに時間がかかってしまいます。

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後入れ先出しイメージ

後入れ先出しメリットデメリット

1)メリット

 ・保管スペースや重量物のような種類の製品を扱う場合、オペレーションタイムが短くなる。

 

2)デメリット

 ・製品が滞留することがあるので、在庫滞留時間による品質劣化のリスクが高い。そのため供給期限や賞味期限を守るために別途管理が必要となる。

 ・扱っている製品が部品の場合に、品質問題が起きたときに、出荷の対象範囲が絞れないことがある。例えば部品単体でシリアルNOがない場合、最終的にいつの製品に組み込まれていつからいつまでのお客様に提供したのかがわからなくなる。

まとめと考察

 ・どちらもメリット、デメリットがあるので、保管スペースや在庫量、在庫の種類(重量物なのか、軽量物か)を考慮しながら最適な運用にすべきだと思います。

・ただし、先入れ先出しのほうがメリットの影響の範囲が大きい(俯瞰的にみると後入れ先出しのメリットはあくまでその拠点内だけのメリットですが、先入れ先出しは品質確保というお客様にもメリットがある。)ので、まずは先入れ先出しを運用するための仕組みを考えてみることが重要だと思う。そのためにも在庫スペースや在庫供給の運用の見直しを定期的に見直すといいと思う。

 ・標準作業を決めることが在庫管理の第一歩だと思う。コンビニに例えるならば、ジュースはきっちり先入れ先出ししよう。劣化のリスクが少ない日用品は後入れ先出しを許容したうえで、棚卸の時に古いものは早めに売る運用にしようとか。

・経験上、先入れ先出し、後入れ先出しは在庫管理の担当者以外には、無駄が発生していることや問題があることが分かりづらい傾向にあると思う。おそらく正しい姿がどんな形か分かっていないことが多いからだと思う。

 

ブログを読んで頂きありがとうございました。