企業が棚卸を行うのはなぜか
12月30日、日本では休んでいる企業も多い中、弊社は普通に出勤日であり、実地棚卸をやっていました。
そこで企業が棚卸を行う理由を考えてみました。
棚卸とは何か
簡単に述べると
①会社の帳簿上の資産と実際の資産の数を一致させること。
②汚れたり価値が下がっている資産や使えない資産を見つけること。
です。
小売り業、メーカーにとどまらず、資産をもっている企業であればどこの会社でも
行っていると思います。日本であれば3月と9月の年2回行います。
アメリカの場合、多くの企業の決算月が12月なので12月にやることも多いようです。
対内部要因
①データ上の資産と実際の資産を合わせる。
在庫管理でよくあるのは、データ上の在庫と実際の在庫が合わないことです。
データ上では存在しているはずなのに、実際にはないということがあるので、
製品を出荷できなかったり、製造できなかったりすることが発生します。
②保管スペースの確保
使えない在庫を廃棄することによって、新たな保管スペースを生み出すことを生み出すことができます。また逆もしかりで使っていない部品が見つかって在庫に増やすことができます。
③会社の利益を確定させる。
会社の利益=売り上げー製造原価
製造原価=期初棚卸資産+当期仕入れ高ー期末棚卸資産
という計算式になります。
棚卸資産とは、
商品、製品(すぐに売れる状態にあるもの)
仕掛品(生産途中のもの)
原材料 部品(これから生産するために使うもの)
これらを含めた総称となります。
対外部要因
①利益を確定させて税金をちゃんと国に収める。
企業は利益を得た場合に、法人税を国に収めることになります。
②棚卸を行うことにより貸借対照表に記載されている資産の妥当性を確保する。
これにより投資家が誤った投資判断を行わないようになる。
会計の原則には正規の簿記の原則というものがあり、正しい情報を財務諸表に載せなければいけないというルールがあります。そのルールに則ることで財務諸表が対外的に正しいものだという証明になるのです。
感想
①自体は労力がかかるものなので、理由や背景を理解することが重要だと思う。
上記のような内容を理解すると、棚卸の必然性に気付きます。
②普段業務をしていると忘れがちになる帳簿に触れる貴重な機会だと思う。
企業の活動はすべて帳簿と紐ついています。
例えば
1)製品を作り始めて
2)製品完成して
3)製品出荷する という生産活動では
1)部品、材料⇒仕掛品
2)仕掛品+変動費+管理費⇒製品
3)製品⇒製造原価 ということが帳簿で起こっています。
普段こういった帳簿の動きは忘れやすいものですが、棚卸を通じて企業の帳簿を考え直すいい機会になると思いました。